りんごやSUDA

Farmer | Food producer
長野県南佐久郡佐久穂町

「標高」「品種」「技術」、3つが揃った果実農園

八ヶ岳から爽やかな風が吹き抜ける『りんごやSUDA』の農園は、年間の日照時間が長く、晴天率が高い。この清々しい環境で、輝く太陽の恵みをいっぱい吸収しながら育つりんごは、甘みと酸味が凝縮された濃厚な香りと味わいを持つ。実が締まった程よい歯ごたえも味しさの秘訣だ。

須田治男さんは、標高900mの八千穂高原で、りんご14種類とプルーン9種類を、有機肥料と減農薬で栽培している。

「そこにある自然を受け入れる」「その土地に合う品種を選ぶ」「スキルアップの心がけで技術を学び取り入れる」この3つのバランスによって、高品質のりんごとプルーンが、毎シーズンしっかりと収穫できるそうだ。

 

 

 

無限で楽しい、りんごとプルーンの食べ方

須田さんは、35歳の時に家業のりんご農園を引き継ぐために佐久穂町に帰郷した。

横浜のフランス料理店で12年間務めた経験から得た、料理・ワイン・サービスの知識と人脈。いろんな人と出会っては食で繋がり、様々なかたちで果物の美味しさと可能性を広めてきた。食の業界で積み重ねてきたことが、今も『りんごや SUDA』に大きく生かされている。

創業1927年の『りんごやSUDA』 は、35年ほど前からレストラン、ホテルや一般向けに、りんごとプルーンを直接販売してきた。食べる人の喜ぶ顔。自分が育てた果物が、どんな風に料理やデザートに変身するかを間近に見ることが、喜びと励になる。

有機肥料と減農薬にこだわり、完熟した果実のみを収穫する果物は、素材を厳選する厳しい目を持つシェフの舌を常に満足させてきた。「この調理法にはこのりんご、この風味と食感にはこの品種」と、食全般に知識を持つ須田さんは、ただ栽培して売るだけでなく、シェフ側からの目線でも一緒にメニューを考えたり、助言できる力強い存在だ。

前職はソムリエだった須田さん。大好きなワインの知識を生かし、シードルやリキュールも研究している。信頼できるブリュワリーとコラボし、お酒もプロデュースする。
なかでも人気のシードル(りんごのスパークリングワイン)、
『Sakuho Terroir Le Pomme du Mousse サクホ・テロワール・レ・ポム・ドゥ・ムース』は、フランス・ノルマンディー地方の伝統的な作り方にこだわった逸品だ。

りんごの酸味と甘みがほどよくバランスされ、辛口なのにりんごを丸ごと頬張っているようなフレッシュさ。深みがあるけれどスッキリな飲み心地。

プルーンは収穫時期がとても短い。長く楽しんでもらうため、いろんな種類を栽培し、リレー式に収穫するよう工夫している。そこで1年を通して楽しめる果物にしたいと、今後いろんなプルーン商品を発信して行こうと考えているそうだ。

2021年3月には「プルーン/りんごを使ったクラフトビール」も発売された。どんなフルーツの香りが楽しめるのか、期待の新商品だ。

 

 

 

新しいことにも取り組んで行きたい

人と接するのが好きな須田さん。
子供達の喜ぶ顔が見たいと、2010年に「りんごの樹・オーナー制度」を立ち上げた。「子供達と一緒に作業するのは楽しいです」と、目がほころぶ。自分の樹を選んだら、収穫までの1シーズン中、花摘みや葉摘み、収穫を体験できる。なんども通って「愛着の湧いた自分の樹」から自分の手で捥いだりんご。その美味しさは格別だ。

「これから佐久穂町をどんどん外に発信して行きたいと」と、須田さん。
「色んな商品開発を進めて、農園も広げて行きたい」、生き生きとした表情だ。

『りんごやSUDA』の丹精こめて育てた果物は、佐久穂町から世界にどんどん広がっていき、その美味しさは皆んなを幸せにしてくれる。

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