la boulangerie Lien

Bakery
長野県佐久市

小さな手作りパン屋さん

『La boulangerie Lien ラ ブーランジェリ リアン』は、近所のおじいちゃんや子供達が歩いてパンを買いに来るような、親しみを感じる町のパン屋さんだ。幅広い年齢層に愛され、『パン屋りあん』と呼ばれている。

2008年にオープンして以来、オーナーの平川昌之さんは毎日家族と一緒に店に立っている。馴染みのお客さんとの距離がとても近くて、人との繋がりを大事にしている温かな店だ。

こんなホッコリした雰囲気の、気取らない店構えだけれど、平川さんの作る「バゲット」はどれもたまらなく美味しくて、地元に大勢のファンがいる。

噛むと広がる小麦の香ばしさと、しっかりした食感。歯ごたえのあるパリッとしたクラスト(皮)と、もっちりしすぎないクラム(中身)。フランスで旅行中に、近所のブーランジェリーに早起きして行く静かな朝の時間。そんな静かで飾らない、幸せの象徴のようなバゲットだ。

恥ずかしい話だが、平川さんのバゲットを買うと、いつも早く食べたくてまず外でちょこっと頬張ってしまう。「早くあのワインとチーズと一緒に食べたい」と思いつつ、帰宅まで待ちきれないほど、そのままでも美味しい。家に着く頃には、半分くらい食べてしまっていることもある。

 

 

佐久だからこそ、できるパン作り

15年ほど前まで東京でパンを焼いていた平川さんは、「当時、東京にあったパン屋を全部巡って、とにかく食べまくってました」と笑う。

食べて食べて、そこから生まれる鍛えられた味覚が納得するパン作り。平川さんは自分のパンを、いつも少しづつ進化させている。自家製の天然酵母、低温で長時間熟成させたベースを使い、ひとつひとつじっくりと時間をかけて焼き上げる。

休みがとれる時は、フランスに食べ歩きの旅に出かける。旅先で出会う食材からいろんな刺激やインスピレーションをもらい、それを自分の店に盛り込みながら食の枠を広げて行く。

それぞれ実力のある地元の仲間たちとの集まりも、いろんな発想が生まれる楽しいひと時だ。互いに気になる食材を持ち寄り、料理しながら食べて飲む。時間を共有し、地元の食文化の可能性を語り合う。こんなふうに豊かな時間を過ごすことで「自分の中での『食』が広がって行く」。

東京ではできない、長野県佐久だからできるパン作りを考えた時、
そこには「鮮度と距離感」があった。

例えば、その日の朝自分で収穫した、春菊や下仁田ねぎをパンに取り入れる。
朝採り野菜を「フォカッチャ」にのせたり、知り合いのりんご農園の、搾りたてジュースを使って「ブリオッシュ」を焼く。

家の隣にある菜園で、旬の野菜を朝採りする喜びは、都会ではなかなか味わえない。この自然に恵まれた土地で生きるからこそできる、新鮮な食の贅沢。本当の意味の「贅沢なパンと食文化」がここで育まれる。

「10年後もずっと自分の手でパンを触る、作り手でいたい」。パンがあって、ワインがあって、そこに人が集う豊かで楽しい時間。「余計なお世話かもしれないけど、自分が感じる美味しさや楽しさを、地域の人の食の豊かさに繋げて行きたい」と、平川さん。

佐久だからこそできるパン屋さんの夢と可能性は、どんどん広がって行く。

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