カレー屋 ヒゲめがね

Restaurant
長野県南佐久郡佐久穂町

笑顔を届けるカレー作り

元ハウス食品のスパイスマスターだった、豊田さんの作るカレーは「どれも丁寧で美味しいなあ」と、しみじみ思う。

前職で得たスパイスの知識を活用し、絶妙なスパイスのブレンドがとても奥深い味だ。「パキスタンカレー」はクミンの爽やかな香りと、ブラックペッパーのスカッとした抜けるような辛さが調和していて、「バターチキンカレー」は黒糖の深い甘みと、隠し味のナンプラーが日本のお醤油のような懐かしさを感じさせる。地元の美味しい有機野菜を使い、心を込めて仕込んだ、繊細なのにがっつりくるカレーだ。

 

『カレー屋ヒゲめがね』を開業するまでには長いストーリーがあった。

2019年、豊田陽介さんは思い切った決断をした。周りの期待に答え続ける人生から一歩離れ、自分らしく家族とゆったり暮らす生活にシフトしたのだ。17年務めた会社を辞めて、神奈川県川崎市から長野県佐久穂町に夫婦と小さな子供3人と共に移住し、『カレー屋ヒゲめがね』を開業した(2020年6月)。
(豊田さんのライフシフト・ストーリーはこちら)

佐久穂町の栄橋の並び、レトロな雰囲気の通りにある昭和を感じる一軒家。ここが豊田さん5人家族の住居を兼ねたカレー屋さんだ。どこか懐かしいタイルやランプはそのまま残し、全体は奥様、愛子さんの好きな北欧テイストに改造した。琥珀色のランプが灯る、温かみのあるインテリア。とてもリラックスできる空間だ。

窓辺には愛子さんが厳選した工芸品が優しく並ぶ、小さな雑貨屋『pieni valo ピエニバロ』もある。どれも造り手のきめ細やかな気持ちが伝わってくる作品ばかりだ。

 

 

 

目指すのは心地よさ
心地いいは、みんなを幸せにする

「心地よく生きたい」と思うけれど、それをどのようなかたちに表わして生きるかの決断は難しい。豊田さんは、時間をかけてその課題と向き合ってきた人だ。

豊田さんが人生をかけて証明しようとしているテーマは、「ありたい姿と生活とを両立する『事例』に自らなる」ことだ。家族との時間を大事にしたい思いから、あえて「週4ランチのみ営業で、自然豊かな環境でゆったり暮らす」、を試みている。こんな選択肢の先行事例となって、周りに発信できれば、悩んだり人生の模索をしている人たちの励みになるかもしれないというワクワク感。いずれは同じような人生のシフトを考えている人達のアドバイザーになり、みんなの幸せお手伝いをしたいとも考えている。

自分が心地よければ、ゆったり幸せオーラが出せる。そうすれば連鎖反応でお客さんも家族も心地いい。それがみんなの幸せに繋がる、とても素敵なプロジェクトだ。

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